平成27年から、何が変わったのか。 ― 教育・スポーツの法制度と大田区の政策を、地域の現場から問い直す ―
平成27年から、何が変わったのか。
― 教育・スポーツの法制度と大田区の政策を、地域の現場から問い直す ―
1.約11年間で変化した社会と制度
平成27年(2015年)から令和8年(2026年)まで、約11年が経過しました。
少子高齢化、人口減少、地域のつながりの希薄化、子どもたちを取り巻く教育環境、障がいのある人の社会参加など、地域が向き合う課題は複雑になっています。
一方、この間、教育・福祉・スポーツを取り巻く法律や国の政策も変化してきました。
主な動きとして、
- 平成28年(2016年):教育機会確保法の成立
- 平成29年(2017年):社会教育法の改正、地域学校協働活動推進員の仕組みなどの整備
- 平成29年(2017年):地方教育行政法の改正、コミュニティ・スクール設置の努力義務化
- 令和4年(2022年):第3期スポーツ基本計画の策定
- 令和6年(2024年)4月:改正障害者差別解消法の施行、民間事業者による合理的配慮の提供義務化
- 令和7年(2025年)9月:改正スポーツ基本法の施行
などがあります。
スポーツも、競技や健康づくりだけではなく、教育・福祉・地域社会と連携し、誰もが参加できる環境をつくるための重要な要素として位置づけられてきました。
2.大田区のスポーツ政策と支援制度
大田区では、令和7年度から令和11年度までを対象とするスポーツ推進計画が策定されています。
基本理念は、
「スポーツで創る 誰もが健康でいきいき暮らせる豊かなまち」
基本目標は、
- 誰もがスポーツを楽しめる機会づくり
- ニーズに即したスポーツ環境の整備
- スポーツを通じた活力あるまちづくり
です。
また、大田区公式ホームページでは、令和8年3月24日更新の案内において、区内の主な総合型地域スポーツクラブとして10団体が掲載されています。
さらに、総合型地域スポーツクラブに関する支援要領についても、平成27年4月1日の施行以降、次のとおり複数回改正されています。
- 平成27年4月1日 施行
- 平成28年4月1日 改正
- 平成30年4月1日 改正
- 令和元年6月14日 改正
- 令和3年4月1日 改正
- 令和4年4月1日 改正
制度や支援要領が多少見直されてきたことは確認できます。
しかし、重要なのは、改正によって何が変わり、実際の地域スポーツ活動や多様な住民の参加機会にどのような変化が生まれたのかという点です。
団体数だけではなく、地域ごとの活動機会、障がいのある人の継続的な参加、合理的配慮、企画・運営への当事者参画、既存クラブと新しい地域活動との連携などを確認する必要があります。
3.私たちが地域で実践していること
一般社団法人FUSIONSは、大田区を拠点に、福祉・教育・スポーツ・地域をつなぐ活動を進めています。
主な取り組みは、
- 障がいの有無、年齢、経験、立場を超えて参加できるユニファイド野球
- インクルーシブスポーツの機会づくり
- 小学校における福祉授業
- 社会福祉協議会や地域団体との連携
- 子どもから大人までが地域でつながる機会づくり
です。
私たちが目指しているのは、障がいのある人を一方的に支援される側として捉える社会ではありません。
一人ひとりが自分で考え、選び、参加し、役割を持ち、地域の一員として活動できる環境です。
「できる・できない」ではなく、「どうしたらできるのか」。
違いを認め合い、ともに活動する方法を考えることが、インクルーシブな地域づくりの出発点だと考えています。
4.大田区への政策上の確認
現在、こうした地域の実践を踏まえ、大田区スポーツ推進課に対して、次の6項目について確認を行っています。
1. インクルーシブスポーツや地域共生型スポーツの区としての位置づけ
2. スポーツ推進計画への反映状況
3. 総合型地域スポーツクラブの支援制度とJSPOの認定制度などとの関係
4. 障がい者スポーツの推進と合理的配慮に関する方針
5. 福祉・教育・地域づくりと連携したスポーツ活動への評価と支援
6. 地域共生社会の実現に向けた今後のスポーツ政策の展開
今回の問い合わせは、FUSIONS一団体への個別支援を求めるものではありません。
地域で生まれている実践を、区の政策や制度とどのようにつなげていくのかを確認するためのものです。
スポーツ推進課だけで完結しない課題については、教育・福祉・地域力推進など、関係部署との連携や役割分担も確認したいと考えています。
制度の理解と確認のため、日本スポーツ協会(JSPO)にも照会・確認を行っています。
今回の照会では、スポーツ推進課長名による正式な文書での回答をお願いしており、回答期限は令和8年11月4日(水)です。
5.現場から制度をより良くする
法律や制度が変わっても、現場が変わらなければ、住民の暮らしは変わりません。
一方で、地域の現場で生まれた小さな実践が、制度や政策を改善するきっかけになることもあります。
誰もが参加できる地域とは、単に参加する場所があるということではありません。
- 自分の意思で参加できること
- 自分の役割を持てること
- 自分の意見を伝えられること
- 地域の仕組みづくりにも関われること
こうした環境を地域の中に一つずつ増やしていくことが大切です。
制度に現場を合わせるだけではなく、現場から制度をより良くする。
東京城南FUSIONS™は、これからも地域の皆さんとともに、問い、考え、実践していきます。
一人の100歩より、100人の1歩。
人が先。現場第一。
焦らず、ゆるっと、急がばまわれ。
一般社団法人FUSIONS
東京城南FUSIONS™